時代の移ろいを感じながら、自然と共に暮らす家

下益城郡美里町のＭ様邸は、長い間空き家になっていた築150年の古民家。
教師をされていたご両親の人柄もあり、いつも地域の人が集まる住まいでした。

「生まれ育った家を残し、次の世代へ引継ぎたい」
ご兄弟が年を重ねるごとにその想いは募り、今回のリノベーションへとつながりました。

ご家族の暮らしを見守ってきた大黒柱や梁・建具などは積極的に再利用。
時を経たものだけが持つ趣と新しい材料のコントラストが、生まれ変わった空間をより一層引き立てます。
季節を感じられる大きな窓は、断熱性能を高めたことで空間に快適さが加わりました。

二間続きだった和室は、広々とゆとりのある洋室のLDKへと間取り変更。
天井は吹抜けにすることで圧迫感をなくし、さらに明りをとり込むための窓を新たに設置しています。
しっかりと断熱材を施工することで、空間が広がっても性能は向上し省エネで快適な空間になりました。
性能向上したことによって、きれいになっただけではなく1年中快適に過ごすことが可能に。

冬には薪ストーブひとつで十分に家中が暖かく、火を使う暮らしの楽しみが増えました。
山間の厳しい寒ささえも楽しみに変わり、音楽の先生だったお父様が大切にされていたピアノの音色に耳を傾けながら、炎のゆらめきに癒される、そんな穏やかな時間が流れる暮らしとなりました。

昔、この家で御祖父様、御祖母様やご両親が暮らされたように、畑を耕し野菜や茶畑を育てられています。
畑仕事の難しさを感じながらも地域の方からたくさん知恵を学び、関わることで暮らしをより豊かに今を楽しんでいらっしゃるとのことです。